先の記事、「コロッケお前もか」に対するウエダさんのコメント
「死人が出たわけでもない。腹壊した人がいたのかワタシは知らない。
日本の食の安全なんてこんなものでしょ。
安物の冷凍のコロッケ買う人は気にしないこと。…一つ一つ会社を倒産させていっても最後に自分の財布で買える食料品がなくなる人がでて来るだけ。」
これを読んで、辺見庸のもの食う人びと(共同通信社)の冒頭の衝撃的な逸話を思い出した。バングラデシュのダッカ、スラムでの話だ。駅前広場の屋台で、山盛りにして売っていた焼きめしを食べたら、なんとそれが残飯で、腐敗臭を消すために横には線香が数本たててあったという。残飯市場なるものが存在し、パーティの残りを売りさばいているのだという。
残飯市場の主な顧客はスラムの住民とリキシャ運転手達だそうだ。辺見庸は言う。「残飯を食らう者。大量輸入しては食い残す者。食の神様がいたら…後者には飢渇の何であるかをいつか思い知らせるのではないか…」
ミートホープとダッカとの違いは、ダッカでは地元民は皆なぜ安いのかを知っており、それが残飯であることを知っていたこと。それが必要とされていたこと。ミートホープは徹頭徹尾、あらゆる創意工夫を凝らして、消費者を騙して自分のみが利益を得ることに邁進したこと。
「訳あり特別バーゲン品、クズ肉入り、豚肉、鶏肉入っています。自己責任でお買い求めください」とでも書いて覚悟を促すような日々がこないことを願うが、円安が極端に進み、異常気象が続くと、食の神様が采配を下さなくても、そんな日がこないとも限らないのではないだろうか。