あんなこと、こんなこと。どんなこと?

自分の言葉をしゃべりたくなった翻訳者のきままな独り言:多様だから価値がある。反論、異論大歓迎

2007年12月

あけましておめでとうございます。

ブログというのは双方向のコミュニケーションの場だと感じています。同意や励ましで支えていただきありがとうございます。そして自分を広くしていくためには異論、反論は大事な糧です。異なる人たち、色んな考えがあるから生きていくことは面白いのです。ご意見、ご指導、楽しみにお待ちしています。

今年もどうぞよろしくお願いします。

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翻訳業を目指す人たちは、英語そのものが好きとか、得意という人が多いようだ。もちろん、英語が嫌いでは辛いだろうが、産業翻訳という特殊な世界では英語が好きというだけではどうもうまくいかない。英語が得意だから翻訳でもと始めたものの上手くいかず行き詰まる人は結構多い。

今頃気づいたのだが、なんとか翻訳業一本でやってこられたのは、どうも、翻訳される内容に興味をそそられるというヤジウマ気質のおかげだったような気がする。

量も内容も重量級の仕事が入っている。この重量級の仕事は、風邪さえ引いていなければ独り占めしたいような訴訟事件で、体調のせいで3分の1程度しか受けられず、残りを断ったのが悔しくて仕方ない。中身が面白いのであっちこっち調べつつ楽しんで翻訳していたのだが、なんせお正月だ。掃除より面白いとはいえ、お正月をゴミの山の中で迎えたくない。全部引き受けたりしないで良かったと、年賀状も書き終えたところに電話が鳴った。

今度こそ正真正銘超重量級の仕事。弁護士達は年越し案件を翻訳者に放り投げて遊びに行くのだ。きっと。こちらも面白い。だが、難解この上ないから時間がかかる。とはいえ、数年前から受けている人権がらみの案件。くうっ。どうしよう。といっても断る選択肢はない。第一面白くて、勉強になり、その上お金まで払ってくれるのだから断れる道理がない。こうやって、自分で自分を縛り、後悔しつつ元旦からうなる羽目に陥ってしまう。

1月下旬の納期を引き延ばす作戦に出つつ、抱えていた仕事を今年中にやってしまおうとあせあせモードに突入。エージェントも出来る限り努力してくれるということで返事を待っていたら、発注は来年に延びた。聞いただけで一気に肩こりが消えていった。

最近受けるのは難しい仕事が多い。時間はかかる。手間もかかる。頭も腰も痛くなる。しかし、皮肉なことに、難しいほど中身は面白い。最初に仕事を始める時点で楽な方に行かなくて良かったと思っている。

毎回新たなことが分かるから、毎回新しい事柄だから、こんなに長く同じ仕事が続けられるのだと思う。難しくて手間がかかることをやっているから、技量は上がり、競争相手は少なくなり、商売が繁盛する。最初に楽すれば、後で苦労する。ホント、上手くできているものだ。

スウェディッシュケア エルバ(スウェディッシュケア エルバ) あなたのリラックスルームをリザーブ閉門蟄居を申し渡されたのなら、何がなんでも外に行こうとあがくだろうけど、自発的蟄居生活なので心穏やかにぐずぐずしていたのだが、上の娘からのクリスマスプレゼントを受け取るためによっこらしょと新宿まで出かけていった。

下の娘と私宛のプレゼントは60分間のエ・ス・テ!

未だに原因不明の足の裏の痛みがありシップを2枚も足首と足の裏に貼って、髪ぼさぼさでエステねえ。こんなに場違いな客もそうはいないだろう。

娘も私と同じく本当のジブンが分からないよう偽の名前で会員となり、予約しているので、なりすましの娘と2、3回名前を呼んで稽古をしたのだが、途中でうっかりAちゃんと本名を呼んでしまった。スパイにはなれそうもない。

リラクゼーションコースとやらで、オイルを使って全身をもみほぐし、痩身効果もあるとのこと。ワッショ、ワッショという声が聞こえそうなほど力一杯、特にウエストの辺りが揉まれる。気分だけでも細くなりつつあるような…

それにしてもエステシャンも重労働ですねえ。そのうち、エステシャンを守るためと称して、体重何キロ以上は割増料金という制度が導入されたりして。体は軽くなり、肩こりはなくなり、お腹は減り、帰りにケーキを食べたから痩身効果は見事に帳消しになったものの、その後数時間経っても体が暖かかったのだが、冷たい風に当たったためか、再び風邪が悪化した。やれやれ。

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今年の風邪はしつこいのか、それとも体力が落ちているのか、風邪ひき、3週間目に突入。

咳をしていてもいいから手伝いに来て欲しいという娘の要請で日本海側の寒いところに出かけ、8泊9日頑張ったけど、咳はひどいし、夜眠れないしで、ご勘弁願って戻ってきたのが先週半ば。

そうそう、強力晴れ女と傲慢にも威張っていたのがたたったのか、帰京の日は土砂降りだった。娘の家から駅まで、せいぜい10分程度なのだが、都会用の華奢なブーツはたちまち浸水。コートもたちまちぐっしょりと水を含む有様。ようやく駅にたどり着き、やれやれと周囲の奇異の目も知らぬふりで、靴下を履き替えて体調保全に務めたのに、駅は工事中で、何とホームには屋根がない。

列車の中でお酒でも飲んで体を温めようと一応思ったのだが、最近節酒しているので、何となく買いそびれたのが運の尽きだったのかも知れない。情けないを絵に描いたような1日だった。

以来、丸8日間一歩も外に出なかったのだが、人間というものは順応しますねえ。こうなると外に出るのがおっくうで仕方がない。じっとしていて何の痛痒も感じない。こうやって足が退化していくのかもしれないネ。ということでWiiフィットを買ったのだ。フフフ。

どうも皆さま、ご無沙汰です。実は、コンコン、咳がひどくて夜眠れずに、日の当たる広縁で猫を抱いて船をこぎたいという願望はとても実現するとは思えませんが、昼間は日の当たる窓際で、PCに寄り沿ってうたた寝しているせいです。

ちょっと時間はあいたが、だからといって出産費用が一変したわけではないので前回の続きを少々。

娘のところで生まれたての赤ん坊の世話をしてきたのだが、とにかく後が大変だからなるだけ長く、少なくとも10日ほど入院するように何度も言ったのに4日で退院してきた。最近は4日から5日が主流らしい。

なぜかというと出産費用が高いからという。後で35万円の出産手当一時金が支給されるが、娘の場合、入院費用は4日間で37万円。すでに足が出る。なんてことだ。新しい病院できれいだとはいうが、地方都市の病院なので、まあ相場からさほど外れてはいまい。10日間入院しようと思えばいくらになるのか。

この35万円の支給は妊娠4ヶ月以降の出産には一律に適用されるが、ただし、被保険者であることが条件だ。元々自分たちが支払っている保険から戻しているのだ。昔は助産院があちこちにあったが、今は滅多に見かけないし、自宅に駆けつけてきてくれる助産婦さんを探すのは大事だ。

なぜ、産み逃げなるものが流行るか分かる。被保険者つまり保険に入っていなければ出ない。保険にも入れない女性は、まあ、保険に主義として入らないという人もいるかもしれないが、一般に考えて定職についていないか、国民健康保険を支払う金がない人間だ。後で戻ってくるとしても4日で37万円、これだけの入院費用が用意できるだろうか。

さらに、妊娠中の健康診断については市町村により補助が出るところもあるらしいし、その額もかなり異なるようだが、娘の場合、通常、1回4000円で、各種の検査については補助が出たらしい。夕張では?僻地ではどうなのだろう。1回4000円ということは8ヶ月までは月に1回で、9ヶ月は2回、10ヶ月にはいると毎週になるから、3ヶ月目から医者に通ったとして、12回、4万8千円プラス、場合により検査費プラス交通費、おまけに仕事を抱えている場合、数時間の休みをとらなくてはならないからその分減収となる。

いきなりの飛び込み出産だって増えるはずだ。飛び込み出産の場合、母親の死亡率は突出して高いという。今でもお産は命をかけた一大事業なのだ。それなのに病院に行きたくても行けない。一番不安なのは妊婦だ。初めてのお産、どんなに怖いだろう。

北欧諸国、イギリスの福祉の手厚さは知られているし、オーストラリアやフランスもそうらしい。つまり、先進諸国は一般に手厚いのだ。日本が目指しているらしい米国は中間層は大変だが、貧乏人にはそれなりの補助や支援がある。

私が出産したのはカナダでだが、2人部屋、シャワー、電話、テレビつき、リクライニングベッド。朝食前と3時にはお茶とクッキーがサービスされ、食事は毎日翌日分をメニューで選び(デザートまで付いたほぼフルコース)、これがテレビの代金として数ドル請求されただけで、すべて保険でカバーされ、無料だった。妊娠中の検査ももちろん、無料。

保険料金が払えない人はどうなのか分からないが、子供一人につきかなりの育児手当が付いたので、手伝いに来てくれていた黒人のおばさんは、それ目当てに知人が6人も7人も子供を産んだ、みっともないと文句を言っていたから、多分、貧乏でも保険に入れる程度だったのだと思う。

日本は先進国と言われている。豊かだと言われている。出産費用が払えずに産み逃げする人が続出する国のどこが、と言いたい。

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上の娘のお産ではるばる某県までやってきている。心臓が〜、足が〜、腰が〜というぽんこつだけど、産後の娘を手伝わないわけにはいかない。それにしても頼れる親や姉妹等がいない人はどうするのだろう。育児休暇をとる男性が増えているとはいえ、実際に休みを取って手伝いますと申請できるような職場はホンの一握りだろう。職にも、金にも恵まれない普段から困っている人間は事が起こればますます困る。 娘2人は外国生まれだが、下の子の時には入院直後から3週間、お手伝いの人が来てくれた。太った黒人の陽気なおばちゃんで、家事全般をきちんとこなしてくれ、子どもたちの面倒もよく見てくれた。派遣元がどこかは遠い昔の事で思い出せないが、市の保健局とか福祉局といった部署ではなかったろうか。元亭主の収入は微々たるものだったので支払った費用はごく少なかったが、駐在員の人が聞きつけて同じく頼んだところ膨大な金額を請求されたという。自分で支払える人は自分で支払い、そうでない人はそれなりにというのは公平な仕組みだと思う。また、早く退院すれば子どもたちの世話で体が大変だからと、医師の配慮で2週間入院していた。 これに対し、米国の友人の場合はお金がなく保険に入ってなかったので1日で退院したという。しかし、翌日から毎日保健婦が出張して見に来てくれたというから、保険に入れないと悲惨な米国流もある程度のケアはあるようだ。州により異なるだろうし、昔の話だから今はもっと厳しいかもしれないが。 少子化対策から未だに妊娠時の健康診断対策が抜け落ちている。確かに病気ではないかもしれないが、保険でカバーされないというのはあまりに硬直しすぎているような気がする。妊娠を甘く見て診断を受けない人も中に入るかもしれないが、やはり、フリーターや派遣でぎりぎりの生活をしている人にとって診察費はいかにも高すぎる。 今のままだと日本は米国よりも厳しい弱肉強食の世界に突入するのではないか。もちろん正当な負担は当然だし、誰でも甘やかせというのではない。しかし、宗教的な支援も、組織的なボランテリアの習慣も希薄な日本は、いったん社会の輪からこぼれると救いがない。ばらまきは必要ない。しかし、人間として暮らす為の当然の公正な支援は必要だ。

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日本という国は羅針盤のない船のようだと常々思っているのだが、ホント、どうなっているのやら。

日経新聞夕刊で今日(12月4日)から始まった「ひとり親で生きる」によると、児童扶養手当(全額支給の場合で月41,720円-しかも子ども各1人に対する額ではない。2人目以降は数千円が加算されるだけに過ぎない)が2008年4月から受給期間が5年を超える場合、支給額を最大2分の1削減されることになるという。

これは母子家庭には大打撃だ。現在の児童扶養手当でさえ十分ではなく、しかも収入によりカットされるので、全額得ている世帯の方が少なく、同紙によると、03年現在で全国で約122万世帯という母子家庭の、05年の平均年収は213万円で一般世帯の4割に満たないというのに、半分に削減だと。

母子家庭とは確か中学卒業前の子供を抱えている家庭だ。5年で半分ということは、例えば、子供が3歳の時に離婚すれば、8才の時点で半額になる!この削減策を考えた人は、子供が大きくなれば食欲も増し、各種支出が増え、母親は歳をとり無理が利かなくなると言う当たり前のことに気づかないらしい。各種値上げが続いている中で、ただでさえ少ない収入がこれ以上減らされたら、不幸な母親と不幸な子供が増える。この子達はどう育つだろう。学校は?未来は?子供達が幸福に育つことが幸福な国の第一条件だ。

少子化で困っているんじゃないの?子供は社会で育てるものだ。少子化対策を叫んでいるのではないの?子供達を骨身を削って育てている母子家庭に対し、この冷たい仕打ちは何だろう。こんな社会で誰が子供を育てようと思うだろう。

子供は一人では作れない。それなのに当然のように離婚後の子育ての重荷はほとんどの場合母親一人の肩に乗せられる。養育費ともいえないほどの雀の涙でさえ支払っていない男が大多数を占めるとも聞く。日本の社会全体が男性優先で、男性が主になり作るその政策は女・子供に対し実に冷たい。実際を知らない、知ろうとしない、想像力もない机上の論理ばかりだ。

半分に削減する代わりに研修するから正社員を目指せだって!子供を抱えた母親が、残業も出来ないのにそう易々と職を探せるものか。派遣や契約社員に切り替わっている中、独身の若い女性でさえ、正社員の口などなかなか探せないというのに。保育園も足りない、放課後の学童保育も足りない。しかも病気の子供は預からない。働く間子供をどうしろというのか。

国民は安全で健康に生きる権利をもっている。どうも知らないらしいが国民には女も子供も高齢者も障害者も含まれる。安全と健康、教育にかける金がないというが、防衛省を防衛庁に格下げして、防衛費を昔通りにGNPの1%枠に納めれば済むことではないの?飛行機1機、ゴルフ代だと思って諦めりゃいいじゃないの。どうせ今でも高価なおもちゃにすぎないのだから、1機少なくても何の問題もあるはずない。それとも飛行機の方が安全で健康に生きる子供達よりも大事だというの?

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