あんなこと、こんなこと。どんなこと?

自分の言葉をしゃべりたくなった翻訳者のきままな独り言:多様だから価値がある。反論、異論大歓迎

2012年02月

父のことで頭が痛い。父達のマンションのすぐ前の医者、お金のことばかり考えているようで好きではないが、いつも暇なのが何よりだ。で、遠くの名医より近くのヤブと両親を連れて行っているのだが…。

先日、こんなんじゃ困ると医者に3度も言われてしまった。今後父を診て貰えそうもない。仕方ないので、1ヶ月分しか出さないというのを粘って2ヶ月分のクスリを出して貰った。しかし2ヶ月なんてすぐに過ぎてしまう。もう年が年なので本人が嫌だというのなら無理な治療はする必要はないと思ってはいるが、重症の糖尿病患者なので、最後の日まで、失明や壊疽はなんとしても食い止め、それなりに快適なまま過ごさせてやりたい。薬だけは欲しいのだが。

先日、NHKのあさイチで抑肝散という漢方薬を紹介していた。アルツハイマーや脳血管性の痴呆にある程度の効果があり、感情を穏やかにするらしい。脳梗塞を患った数年前から、何度か父が大声で他人に怒鳴ることがあり困惑していたのでちょうど良い。拒否することも少なくなったというから、おむつを替えないと拒否して母と夜喧嘩してとばっちりがこっちにとんでくることもなくなるかも。

早速薬局に行こうと思ったのだが、医者での様子を思い出してみると、これ以上、薬をませることが必要なのか分からなくなってきた。

その医者は、診察室に入ってきた父に椅子を指さし、座るようにと指示し、座りかけた父に、あ、そうだ、先に体重を計ろう。おーい、体重計。再度立ち上がった父にそこに乗って。で乗ろうとした父に、ダメだよ、靴を脱いで。父にとっては座るのも、立つのも、靴を脱ぐのも一苦労なのだ。座ると、脈も取らず、聴診器も当てず、1ヶ月前の血液検査の結果を見て、ダメだねえ。高いね。じゃあ、採血。

そこで父が診察してないぞとぼそり。そして、隣の採血室から、父の怒鳴り声が響いてきて、母の付き添いを中断、駆けつけた。なぜ毎回、血を採られなけりゃいけないんだ。どうしても採りたいというなら痛くしたら承知しないぞ。看護婦さん相手に目をつり上げている。あー疲れる。

しかし、待てよ。私たちは怒鳴らない。第三者においどけなどと杖を振り回したりしない。でもそれは単に抑えているからで、数人で道をふさいでいたら、心の中では邪魔だなあとか、少しは考えたらとぶつぶつ文句を言っている。ころころ思いつくままに病人相手に指示を変える医者を頭が悪いと思っても口に出さない。それだけだ。

これって痴呆なのだろうか。薬を飲ませても抑えなくてはいけないことなのだろうか。静かになってくれるとこちらは助かるが…。

ベランダにめをやると、目白のつがいがやってきてせっせと何かをついばんでいる。カイガラムシが好物なら悩みが一つ減るのだが。

P1000805

はい、今頃続きです。なんて時間が経つのは早いんでしょう。それもドタバタと走っているかのような時間の流れにあきれてもう笑うしかありません。まあ人生、色々ありますなあ。まさか親がおしめを替えるのが嫌だと深夜家出するなどという事件が勃発するとは、全く想定外のことで、なんとか静かに暮らして戴きたいものです。

P1000766で気分を変えて、チェスターの続き。昨年10月にチェスターの宿について書いたとき続くと記しながらここまで遅くなるとは。
ごめんなさい。

チェスターの街はぐるりと城砦の壁で取り囲まれており、気持ち良く晴れ上がった広い空のP1000745下ぐるりと街の周りをK子と歩く。

細い運河が横を流れ、ナローボートが係留されている。緑の美しい競馬場では何頭かの馬が訓練中。博物館を2つハシゴし、この町がローマ時代を始めいくつもの層の上に作られていることと、かのコクマルカラスの名前を確認し、中世から現存の少々どころかかなりかしいでいるショッピングセンターを冷やかし(ああ、地震がないというのはなんという素晴らしいことなのだろう)、ビールとポットシチューを宿で食べた後、宿の男のP1000772子カウに、川遊びとそこで売られている最高のアイスクリームを食べなくちゃと言われ、ボーP1000787トに乗りに出かけた。

わずか30分ほどの遊覧船、その名もマーク・ツェーン丸に乗り、アイスクリームを押し合いへし合いしながら何とか手に入れ、すっかり休日気分を満喫。

ああ、何という気分の良い日だったろうか。幸せの記憶があれば当分やっていけるというのは本当だ。思い出しただけでうっとりと眉間の縦皺も消えていく。しばし、思い出を反芻し、仕事は遅れ、お腹は空き…、もとい。

そうそう、ここには大聖堂が。古くて、暗くて、階段がすり減り、宗教裁判P1000799所も、今は使われてないだろうが、あり、趣き満載だ。しかも古本を販売しているではないか。つい数冊買ってしまい、後でK子を口説いて引き受けて貰うというお粗末もあったが斜めに古い硝子を通してでこぼこの石の通路に差す日差しが美しい。

歩数をメモしたのに積み上がった書類の下敷きで見つけ出せない。あっというまに過ぎていった時間の象徴だね。小さな写真はクリックすると大きくなります。

[追記あり]先日、東大地震研から首都圏直下型地震の確率が4年で70%という数字が発表されてうわーっとのけぞった。東日本大地震が寝ていたものを起こして確率が大幅に上がったというのだ。なんせ、30年ほども昔、その頃の間もなく直下型地震が来るというニュースと立て続けに起こった地震が怖くて海外に逃げ出したほどの地震キライ人間。諸般の事情でしょうがなく日本に舞い戻ったが、家選びも〈選べるようになってからだが)、家具の配置も全て地震を想定している。20年を超えてかけつづけた地震保険は、半壊もしていないんでしょ、出ないですよの一言でヒビも洗面台のチップも弁償されなかったが、この程度でよかったと喜ぶべきなんでしょうね。

地震ネタを探してみたら、私流マンションの選び方-その1その2遅まきながら地震ネタ座して地震を待つ?
その他、まあかなり書いたものだ。これらを読むと2005年辺りにも地震がかなり発生していたようだ。地震国日本だねえ。

テレビ報道が一巡した頃になってこの4年で70%と言う数字があまり表に出てこなくなったので、再度東大地震研のウェブを覗いてみたら、大幅にトーンダウンしていた。曰く、誤差がかなり大きい可能性だの、個人の意見の表明であって、地震研の公式発表ではないだの、東大にしては随分思い切った発表をしたと感心したのだが、やっぱり、人心を惑わすとか、責任誰が取るんだとか、マスコミどうすんだなどと、所内でわらわらと騒ぎになったんだろうなあ。

[追記:数日前の日経新聞でも報じていたけれど、確率は再計算の結果、4年以内で50%以下、30年以内では83%以下ということになったらしい。別の機関は別の数字をあげている。まあ、巨額の資金をつぎ込んでも地震予知は今のところ不可能であるらしい。今回の地震で私が思い知ったと思ったのは、遠い未来でもタイムマシーンはできていないってこと。出来ていれば少しは警告してくれただろうに…。やっちゃあいけないということで見ていただけという線もあるだろうけど、子孫達はそういう人種にはなっていないと一応思いたい]

でも、何と言おうと、どうやっても地震の奴はやってくる気のようだ。30年で98%とかいや70%だとかという数字も別のところで目にしたが、これは30年目にやってくると言うのではなく明日起きるかもしれないのだし、毎日がこりゃ、水盃の世界だ。

大きな災害も、害虫も猛獣もいない英国にでも移住したいと思うのだが、昔の気ままな若い私ではなく、周囲に息子や娘の家族と両親がいるのに一人だけ逃げ出すわけに行かない。フリーランスの私はともかく、勤め人達も職場がなければ動けないし、特に、あの我が儘であっちが痛い、こっちが変だ、動けない、歩けないと騒ぐジジババをつれての移住など不可能だ。私も間もなく、というかご同様に、あっちが痛い、こっちが変だと騒いでいる身の上。ということで、毎日、気を揉みながらも暮らしていくしか方法がない。

それにしても災害の多い国だ。そして数千年の昔から日本人はこの列島で、地震や津波、台風に大雪と逃げまどいながらも生き抜いてきた。しかもへこたれなかった。ちょっとこれは凄いことでっせ。ご先祖様達の苦労と頑張りを想像したら、少しは私もしゃんと頭を上げて、根性を出して頑張れるような気が、少し、するような…。

ともかく、地震はやってくる。東大地震研に掲載されている防災対策を、分かっていることばかりで今更でしょうが、引用します。分かっちゃいるけどやってないという私やあなた、やらねば、ネ。

  • 地震が起きたら,まず身の安全.「落ちてこない」「倒れてこない」「移動してこない」場所に身を寄せましょう.
  • 揺れがおさまったら,落ち着いて火の元を確認してください.揺れている最中に無理に消そうとする必要はありません.
  • ガラスが割れているかもしれません.あわてて行動しないように注意してください.寝室には,スリッパやスニーカーなどを置いておいてください.
  • 窓や戸を開けて,出口を確保してください.
  • 門やブロック塀には近寄らないこと.倒れてくる恐れがあります.
  • 家具類の転倒や落下防止をしておきましょう.これは自己責任です.
  • 家の強度を確認しましょう.1981年6月1日以前に着工した建物は,古い耐震基準で建てられています.すみやかに耐震診断をうけてください.多くの自治体が補助をしてくれます.(自治体の防災課や危機管理室までお問い合わせください.)
  • 診断の結果,補強の必要があれば,耐震補強をしてください.多くの自治体が補助をしてくれます.(自治体の防災課や危機管理室までお問い合わせください.)
  • 地震が起きれば通信機器は使えなくなります.家族とどう連絡を取るか,ではなく,連絡が取れなくなったときはどうするか,を話し合っておきましょう.
  • 地震は昼間に起きると思っていませんか? 夜間に発生することだって当然あるのです.懐中電灯や履物の用意を再度,ご確認ください.

首都直下地震のような直下型の地震の場合は,家屋の倒壊や家具の転倒による死者が8割を占めると言われています.実際,阪神・淡路大震災の時はそうでした.逆に言うと,耐震補強をして,家具を留めれば,8割も被害を軽減できるのです.(学校の耐震化は急務です.)

家屋が倒壊しなければ,火災も発生しにくくなります.ブロック塀が倒れなければ,消火活動もスムーズになります.被害はさらに軽減できるでしょう.M7程度の地震から被害を最小限にとどめることは,ひとりひとりの心がけで可能なのです.

今がその時と思って,対策をとってください.



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